石川カオリのブログ

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日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」八田與一像事件についてまとめ

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」[Vol.2911] 2017.04.18

1>> 八田與一像への台湾人の思い  李 登輝(台湾元総統)

【WEB「Voice」:2017年4月17日】http://shuchi.php.co.jp/voice/detail/3808

shuchi.php.co.jp

 八田與一といっても、日本ではピンとくる人は少ないかもしれない。台湾にダムと灌漑用水路を建設し、不毛の土地を穀倉地帯に変えた八田は、台湾にとって恩人ともいえる人物である。

 私は2002年、慶應義塾大学の三田祭に学生サークルから招聘を受け、訪日する予定だった。しかし、日本の外務省がビザの発給に反対したため、予定されていた講演を実現できなかった。八田はこの“幻の講演”で紹介するはずだった日本人技師である。訪日を取り消さざるを得ない状況になった直後、当時の河崎真澄・産経新聞台北支局長が「講演原稿を紙面に掲載したい」と申し出てくれた。そして私が鉛筆で手書きした原稿は産経新聞の一面に全文掲載されることとなり、皮肉なことだが、結果的により多くの人々の目に触れ、八田技師の存在が日本で知られるようになった。

 八田は1886年に石川県金沢市で生まれた。第四高等学校を経て、1910年に東京帝国大学の土木工学科を卒業。まもなく台湾総督府土木局に勤めてから56歳で亡くなるまで、ほぼ生涯を台湾で過ごした。

 八田が台湾に赴任したとき、すでに後藤新平は台湾を離任していた。後藤の時代に台湾の近代化はかなり進んだとはいえ、河川水利事業や土地改革事業は遅れていた。台湾の年間降雨量は多く、河川も多く流れている。だが、夏季と冬季の降水量の差が激しく、灌漑用水として使用できなかった。とくに南西部に位置する嘉南平原(総面積4500平方km)は当時不毛の地といわれ、農業の生産性は低く、農民の生活は苦しかった。

 八田は台湾に赴任後、台北の南方、桃園台地の灌漑用農業水路である桃園大圳の調整設計を行ない、1921年に完成させた(大圳は大きな水路の意味である)。これが今日の石門ダムの前身である。

 この工事の途中から八田は、烏山頭ダム(台南市)の建設並びに、嘉南平原に蜘蛛の巣のように張りめぐらせた約1万6000kmもの水路工事に着手する。地球の全周が約4万kmであることを考えれば、工事の規模が想像できよう。さらに、この水路には水門や橋、堤防などが設けられ、主要建造物の数は4000を超えた。烏山頭ダムとこの水路設備全体を合わせて嘉南大[土川]という。じつに10年の歳月と総工費5400万円(当時の金額)の予算を要した大事業であった。私の心の友、司馬遼太郎さんはその事業を「日本史上、空前の大工事」と評した(『街道をゆく 台湾紀行』)。

 1930年に工事が完成した際、八田はなんと44歳の若さであった。戦後日本で最大規模の灌漑工事となった愛知用水の10倍を超える事業を、当時の台湾で行なったことになる。その偉大さについては、私も賛辞を惜しまない。八田がつくった新しい水路から水が流れてきたとき、嘉南平原に住む台湾農民60万人は「神の水が来た」といって感激のあまり涙を流し、これを迎えたと伝わる。

 工事では十年間に134人もの人が犠牲になったが、嘉南大[土川]の完成後に殉工碑が建てられ、日本人、台湾人の区別なくその名が刻まれた。

 その後、八田は南方開発派遣要員として陸軍に招聘される。そして1942年5月8日、大型客船「大洋丸」に乗ってフィリピンに向かう途中、アメリカ潜水艦の魚雷攻撃に遭って船が沈没し、八田も遭難してしまう。享年56。

 3年後、日本の敗戦によって日本人が一人残らず台湾から去らなければならなくなったとき、八田の妻・外代樹は烏頭山ダムの放水口に身を投じて夫の後を追った。御年46歳であった。八田夫妻に対する台湾人の哀惜の念は尽きない。

 新幹線の窓から、台湾最大の穀倉地帯に生まれ変わった嘉南平原を見渡すと、青々とした田園が広がっている。そこに「嘉南大[土川]の父」八田與一の義の精神が眠っていることを、台湾人は永遠に忘れないであろう。

 八田の精神を後世に伝えるため、工事に携わった人びとは彼の銅像をつくり、烏山頭ダムのほとりに置いた。戦後、国民党政府は日本統治時代の銅像や碑文は破壊して回ったが、その魔手から逃れるため、八田の銅像は倉庫に眠ったままになっていた。元の位置に戻されたのは、1981年になってからのことである。

 片膝をつき、右手で髪をつかむ八田の銅像は、考え事をしている往時の姿を模したもので、その魂はいまも「嘉南大圳」の水の流れを見つめているのであろう。私は戦後、台湾人が八田の銅像を守り抜いてきたことを心から誇りに思っている。

 司馬遼太郎さんは、明治国家の興隆を描いた大著『坂の上の雲』の書き出しを「まことに小さな国が、開花期を迎える」とした。今日の台湾の国土は、九州より狭く、いまなお人口は明治期の日本に及ばない。国連にも加盟していない。「まことに小さな国」なのである。

 しかしわれわれには、近代化と民主化の過程で育まれた「台湾精神」がある。この「台湾精神」があるかぎり、わが台湾は不滅である。

 そして日本の皆さんには、ぜひ「義を見てせざるは勇なきなり」の武士道精神で、台湾の新たな国造りを見守ってほしい。日本は精神文明の面においても、モラルの面においても、アジアのリーダーになりうる唯一の国であることを忘れてはならない。明治維新を成し遂げた日本は、東西文明の融合地として、いまなお台湾が見習うべき偉大な兄なのである。

 東アジアのいっそうの安定と平和のために、日本と台湾が手を携え、共に歩んでいくことが私の切なる願いである。

     <本稿は、2015年1月に発刊された『新・台湾の主張』からの抜粋である>

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2>> 【八田銅像続報】 事件の詳細が明らかに 警察は一組の男女を追跡中 本会が募

http://www.ritouki.jp/index.php/info/20170417/

www.ritouki.jp


写真:封鎖された八田銅像と墓所(自由時報の報道より)

 烏山頭ダムで発生した八田與一の銅像損壊事件につき、台湾の大手紙「自由時報」に続報が掲載されたので下記にご紹介したい。

八田銅像の頭部切断事件 警察は容疑者とみられる男女を追跡

                  【自由時報:2017年4月17日掲載(電子版)】

 

 烏山頭ダムで発生した八田與一の銅像頭部切断事件につき、台南市警察は一組の男女が事件に関わっているものとして追跡を始めた。

 今日も烏山頭ダムの現場には多くの観光客が訪れたが、異口同音に「台湾に貢献した人の銅像にこんなことをするのは非常に悪質で許しがたい」と話している。

 事件は16日早朝に発生。嘉南農田水利会の関係者が午前4時すぎから烏山頭ダムで運動をしていたが、午前5時近くに八田銅像の前を通りかかると一組の男女がノコギリで銅像の頭部を「いじくっている」のを目撃。関係者は奇妙に思いながらもそのまま運動を続けた。

 その約1時間後の午前6時すぎ、烏山頭風景区の夜勤職員から水利会に「八田銅像の頭は取り外し式なんですか? 誰かが持っていきましたけど」と確認の電話が入った。

 驚き慌てた関係者は「固定式に決まってるだろ!」と、その電話から3分も経たずに銅像へ駆けつけたものの、件の男女はすでに一時間近く前に現場を離れたところであった。ノコギリを持つ男女を目撃した関係者が即座に通報していれば、容疑者とみられる男女を取り押さえられた可能性が高く惜しまれるところだ。

 男女が目撃された時間は午前5時前後で、まだ空は暗く、記憶にあるのは女性の髪が長かったこと、男性は痩せ型で背が高かったことくらいだという。

 烏山頭ダムは、八田銅像から50メートルほど離れたゲート入口に監視カメラがあるのみで、風景区内に他の監視カメラは設置されておらず、警察の追跡調査も難航を極めている。水利会は夜間の出入りをゲート脇の通用門のみに制限しており、警察はすでに風景区内ホテルやキャンプに訪れていた宿泊客と、深夜に風景区内に入った人物について調査を進めている。

 毎年5月8日に烏山頭ダムで行われている八田與一の慰霊祭が目前に迫っており、頼清徳・台南市長および奇美博物館は積極的に水利会の八田銅像修復に協力している。烏山頭風景区の洪俊文主任も、八田銅像にさらなる被害が及ばないよう、現在は24時間体制で八田銅像および墓所の警備をしており、監視カメラの設置も準備中だという。

 現在、八田銅像付近は封鎖されており、水利会では訪れた観光客に対し八田與一の尊厳を守るために撮影しないよう呼びかけており、観光客も協力する姿勢をみせている。

        【台湾紙「自由時報」の報道を本会台北事務所で翻訳したものです】

 

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」[Vol.2912] 2017.04.18

 

1>> 八田與一像修復・復元「緊急募金」のお願い 【4月18日〜27日】

 4月16日早朝、烏山頭ダムの畔にたたずむ八田與一像の首が切断されて持ち去られるという、前代未聞の醜悪な事件が起こりました。台南市警察は一組の男女が事件に関わっているとみて取り調べているそうですが、銅像は奇美博物館の協力を得て応急措置的な修理が施され、嘉南農田水利会は5月8日のご命日に八田技師の墓前祭を予定どおり執り行うと発表しています。

 李登輝元総統は八田技師について「その偉大さについては、私も賛辞を惜しまない。八田がつくった新しい水路から水が流れてきたとき、嘉南平原に住む台湾農民60万人は『神の水が来た』といって感激のあまり涙を流し、これを迎えたと伝わる」と述べ、八田技師の功績を高く評価する一方、1981年に再びダムの畔に設置されるまで、嘉南農田水利会の人々が戦後長らく守り抜いてきたことを讃えています。

 嘉南農田水利会は八田與一像の金型を保存しているようですので、応急的な修復だけでなく、いずれ新たに制作することも予想され、このようなことが二度と起こらないようにするため24時間作動の監視カメラを設置するなど環境整備も必要かもしれません。

 いずれにせよ費用のかかることですので、本会は4月18日から募金活動を開始します。募金は、4月28日から始まる李登輝学校研修団で訪台の際に台湾市を訪れることになっていますので、4月27日までとし、嘉南農田水利会に直接お届けする予定です。募金の経過や結果は「メルマガ日台共栄」やホームページなどでお知らせします。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 平成29年(2017年)4月18日

                               日本李登輝友の会

 

2>> 八田與一像切断事件でさらに強まる日台の絆 「歴史街道」6月号が八田與一特集

 4月16日早朝に発覚した八田與一像の切断事件は、日本と台湾の心ある人々を驚かせ、また悲しませました。首から切断された写真は本当に見るに耐えられないほど酷いもので、猟奇的事件とも思えました。

 産経新聞が共同通信の記事を転載して、八田與一像の切断に使ったノコギリを、元台北市議会議員だという男と共犯だった女性の友人宅で押収したと伝えています。その記事を下記に紹介します。

 このようなことにもめげず、嘉南農田水利会は昨日、銅像は応急措置的な修復が間に合うということで、八田與一技師の墓前祭(75週年追思會)を予定どおり5月8日に実施すると発表しています。

 恐らく、犯人の思惑とは異なり、この事件を奇貨としてさらに日台の絆は強まるものと確信しております。

 なお、奇しくもPHP研究所から5月6日発売の月刊「歴史街道」6月号は八田與一を特集し、本会の渡辺利夫会長がメインとなる論考を寄稿していて、論考の最後にこの事件のことを書き加えられたそうです。またこの特集には、李登輝元総統や片倉佳史氏も寄稿されているそうです。

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日本人技師・八田與一像損壊、切断したのこぎり押収

【産経新聞:2017年4月18日】

http://www.sankei.com/world/news/170418/wor1704180042-n1.html

www.sankei.com


写真:日本人技師の銅像をのこぎりで切断する際の写真(フェイスブックから・共同)

 台湾南部で起きた日本統治時代の日本人技師銅像の損壊事件で、警察当局は17日夜、銅像の切断に使われたとみられるのこぎりを、容疑を認めている女性の友人宅で押収した。台湾メディアが18日までに報じた。

 事件では中国との統一を主張する政党の党員と仲間の女性が容疑を認めており、警察が裏付け捜査を進めている。

 これまでの調べでは、2人は14日に銅像のある台南市・烏山頭ダムへ行き、15日未明、ダム建設を主導した八田與一氏の銅像の頭部を切断。その後、のこぎりを台湾東部の台東にある女性の友人宅に郵送していた。

 また2人の活動を支持するグループのフェイスブックには、2人が像を壊す際の写真が掲載された。3月末に台湾の急進独立派が国民党の最高指導者だった蒋介石の銅像の頭部を切り落とし、フェイスブックで写真を公開する騒ぎがあり、模倣した可能性もある。(共同)

 

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」[Vol.2913] 2017.04.19

 

1>> 頼清徳市長が事件は台日関係をより強くすると表明 自由時報は本会の「緊急募金」を紹介

 4月16日早朝に発覚した八田與一像の頭部切断事件について、本誌で「恐らく、犯人の思惑とは異なり、この事件を奇貨としてさらに日台の絆は強まるものと確信しております」と述べました。

 これっぽっちの事件で揺らぐほど日本と台湾の絆は弱くなく、台湾のニュースを見ていると、犯人の思惑とは反対になるだろうという思いを強く抱いたからに他なりません。

 台南市の頼清徳市長も「台湾と日本の間で培われてきたこうした友好関係、安定的な関係は、中国におもねり、日本を敵視する人の感情的な行為によって壊されることはなく、逆に多くの人に八田與一氏の功績を知らしめることとなり、台湾と日本の協力関係をより強いものにする」(4月18日付「台湾国際放送」)と述べていたそうです。

 また、文明史家で評論家の黄文雄氏も、この醜悪な事件の裏に「日台離反を画策する中国の影」を指摘しつつ、やはり頼市長と同じく「かえって逆効果ではないでしょうか」と指摘しています。別掲で「黄文雄の『日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実』」(2017年4月18日号)をご紹介します。

 なお、本会は昨4月18日、「八田與一像修復・復元『緊急募金』」を始めましたが、この「緊急募金」について、早速、本日付けの台湾最大手紙「自由時報」が取り上げて紹介しています。日本人の思いの一部が台湾に届いたようで嬉しいことです。

 

◆「日本李友會 緊急募款修銅像」

【自由時報:2017年4月19日】http://news.ltn.com.tw/news/politics/paper/1095409

news.ltn.com.tw

 〔駐日特派員張茂森/東京十八日報導〕日本「李登輝之友會」今天向日本各地分會及相關人士發 出緊急募款通知,目的是修復在烏山頭水庫遭「斷頭」的八田與一銅像。募款期間自今天起到本月 廿七日,募集到的款項將由廿八日出發的「李登輝學校研修團」直接交給嘉南農田水利會。

 また、本会ホームページでは、本会台北事務所が引き続きこの事件に関する台湾国内の報道をまとめて掲載しています。

 Facebook上では、犯行時の生々しい写真も公開されていて、犯行後、八田銅像の頭部を持って記念撮影に及ぶなど悪質な犯行の様子が明らかになっています。確かにショッキングな写真で、改めて憤りと怒りの念が湧いてきます。しかし、それと同時に、日台の絆はさらに強まるとの確信はいっそう揺るぎないものとなっていることも事実です。

 

◆八田銅像事件:犯行時の写真が公開される(閲覧注意)【本会HP:4月18日】

www.ritouki.jp

 

◆八田銅像事件:容疑者供述 八田銅像の頭部は持ち去っていない【本会HP:4月18日】

www.ritouki.jp

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台南市長「台湾と日本の友情は壊れない」 八田氏の慰霊祭予定通り実施へ

【中央通信社:2017年4月18日】

 (台南 18日 中央社)台南市の烏山頭ダムに設置されている日本人土木技師、八田与一氏の銅像が破壊された事件で、中国大陸との統一を支持する団体のメンバーで元台北市議の男らが17日、出頭し犯行を認めたことを受け、頼清徳台南市長は同日夜、「親中仇日的な行為によって台日間の友情が壊されることはない」とし、5月8日の慰霊祭を予定通り実施すると発表した。

 頼市長は、毎年八田氏の命日に行われる慰霊祭には台日双方の関係者が列席し、絆は深いものだと指摘。今回の感情的な事件によって、かえってより多くの人に同氏の貢献が知られることになり、両国の協力関係もより強固なものとなるだろうとの考えを示した。

 水不足の今こそ、日本統治時代にダム建設に尽力した八田氏に感謝の念をより一層覚える、と同氏の功績をたたえた頼市長。銅像の修復も慰霊祭に間に合わせられるだろうとしている。

                           (楊思瑞/編集:楊千慧)

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2>> 八田與一像破壊の裏に日台離反を画策する中国の影  黄 文雄(文明史家・評論家)

 みなさんこんにちは、黄文雄です。

 台湾で、烏山頭ダム建設の功労者である八田與一の像が、頭部を切り落とされ破壊されました。
このショッキングなニュースは台湾でも大きく報じられていますが、その犯人とされている男は、大陸との統一を主張する急進的な党に属していました。そしてその党は、中国政府の息がかかっているとも言われています。この男が八田與一像を破壊した狙いは何か。

*小見出しは本誌編集部で付していることをお断りします。

              ◇    ◇    ◇

八田與一像破壊の裏に日台離反を画策する中国の影
【黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」:2017年4月18日号】

◆犯人は台湾マフィア組織「竹聯幇」元幹部が設立した「中華統一促進党」に所属

 八田与一の像が壊されました。ノコギリで頭部を切断したようです。このニュースの第一報は、事件発覚を知らせるもので、まだ犯人は捕まっていませんでしたが、その数時間後には犯人が判明しました。

 犯人は、元台北市議だった男で、女と2人で犯行に及んだとのことです。本人がFacebookで犯行を白状し、自ら出頭したようですが、案の定、中国との統一支持派で日台友好を快く思っていない輩です。以下記事を一部抜粋しましょう。

「男は1958年生まれで、現在は台湾の急進統一派の団体『中華統一促進党』に所属。94年に統一派の政党『新党』から台北市議に当選し、1期務めた。任期中、市幹部を殴り起訴された。また、2016年には急進的な台湾独立派の団体の敷地に放火し逮捕、起訴されている。男は自身を日本統治時代の義賊になぞらえる発言も投稿。像の頭部を指すとみられる『八田さん』を、中華統一促進党の『党本部に届ける』などとする記載もあった。」

 この中華統一促進党というのは、台湾の三大マフィア組織の一つ、「竹聯幇(ちくれんほう)」の元幹部で、「白狼」という異名で呼ばれる張安楽氏が2005年に自らが総裁となって結成した政党です。

 とはいえ、張安楽は台湾にいたのではなく、有価証券偽造などの罪で台湾当局から追われていたため、1996年から17年にわたって中国で潜伏していました。そして2013年に台湾に突然帰国し、台湾当局に逮捕されたのです。

 しかし、多額の保釈金を支払って保釈され、以後、中華統一促進党の活動を展開しているのです。張安楽は中国で逮捕されたわけでもなく、中国潜伏中に中華統一促進党を結成しました。そのため、台湾の撹乱組織として中国政府の意向を受けている可能性は十分にあります。

 実際、中華統一促進党は、旧日本軍の軍服を着て、民進党本部に「感謝状」を届け、民進党を「媚日」だと批判するパフォーマンスを行うなど、たびたび騒動を起こしています。

◆嘉南平野を一大穀倉地帯に変貌させた烏山頭ダム

 ここで少し八田與一についておさらいしておきましょう。日本統治時代の台湾に土木技師として台湾に渡り、各都市の上下水道の整備に従事した後、発電と灌漑事業に従事しました。

 八田の台湾での功績は数えきれないほどありますが、何より台湾に貢献したのは嘉南平野に造ったダムです。正式名称を「烏山頭ダム」といい、八田はその設計・監督を務めました。嘉南平野はもともと洪水、干ばつ、塩害にあえぐ地域で不毛地帯でした。そこへダムを造ることで、穀倉地帯へと変貌させたのです。

 烏山頭ダムの満水貯水量は1億5千万トンで、これは黒部ダムの75%に相当します。さらに、八田はダムを造るだけでなく、「三年輪作法」という農作方法を採用しました。これは、1年目には稲を栽培し、2年目にはあまり水を必要としないサトウキビ、そして3年目には水をまったく必要としない雑穀類の栽培をするという輪作農法です。

 これにより15万haの耕地を灌漑することができ、米栽培、そして砂糖栽培が飛躍的に成長し、台湾南部は大穀倉地帯となりました。水田は30倍に増加し、ダム完成から7年後の1937年には生産額は工事前の11倍に達し、サトウキビ類は4倍。ダムの規模は東洋一でした。

 その業績は国民中学の『社会2・農業の発展』に詳しく記載されており、最後まで貿易が赤字だった朝鮮とは異なり、台湾が早くから黒字に転じたのは農産物のお陰であると言い切っています。

 また、八田は台湾の現地人を差別することなく、現地人従業員をとても大切にしたと台湾で伝わっています。台湾人からも慕われていた八田ですから、ダムの完成時には銅像建立話が持ち上がりました。しかし、八田はこれを固辞しつづけました。

 そこで、八田の思いを忖度(そんたく)した地元民や周辺の者たちが、偉そうな立像ではなく、ダムを見下ろしながら思案にふける八田の姿の銅像をつくったと言われています。

 八田與一は1942年5月、フィリピンの綿作灌漑調査のために広島の宇品港から大洋丸に乗船して出航したものの、途中でアメリカ海軍の潜水艦により撃沈され、八田も死亡したのです。

 そして八田の妻・外代樹は、1945年9月、八田の後を追うように烏山頭ダムの放水口に身を投げました。

 八田の台湾への貢献および、台湾人に分け隔てなく接した態度は、台湾の人々からも非常に尊敬されています。蒋介石時代には、大日本帝国の建築物や顕彰碑が次々と壊されましたが、八田與一の銅像は地元の人々の協力で隠され続け、守られてきたのです。

 そして、1981年に、八田ダムがよく見渡せる場所に、八田與一の墓とともに設置されたのです。

◆日台友好のための支援を惜しまない台湾経済界の名士たち

 そのような、台湾人にとっても思い入れのある八田與一像の首が、中台統一を主張する統一促進党の幹部によって切断されてしまったわけです。ちなみに、統一促進党は、中国で沖縄の中国領有を主張する「中華民族琉球特別自治区準備委員会」という組織ともつながりが囁かれています。もちろんこれは中国政府の息がかかっています。

 台湾独立阻止と沖縄独立を目論む中国とつながりのある統一促進党が、日台の絆の象徴である八田與一の像を破壊したということは、ある意味で、わかりやすい構図です。

 5月8日には八田與一の命日にあわせて式典が予定されていることもあり、今回の事件によって壊された銅像の修復が急がれますが、そこで登場したのがわれらが奇美グループの創始者である許文龍氏でした。ダムに設置されている銅像を模したものを奇美美術館が所蔵していることから、切断された頭部に美術館所蔵のものの頭部を接着させると申し出たのです。

 台湾経済はこうした名士に支えられている面があります。彼らは戦後、何もない状態から財を築いて現在の台湾経済を支えてきました。もちろんそれは、彼らの血のにじむような努力の賜物ですが、その努力ができたのは、八田ダムのような日本統治時代に築かれた国家としてのベースがあることも忘れていません。だからこそ、彼らは日本に感謝し、日本を愛し、日台友好のための支援を惜しまないのです。

 このメルマガでも以前に取り上げたエバーグリーングループの創業者であり、東日本大震災のときにポケットマネーで10億円の寄付をした張栄発氏もその一人です。

◆李登輝から始まった民主国家台湾は揺るがない

 それに比べて、今回の事件を起こした人物の幼稚さは際立っています。台湾では、統一派と独立派の対立は常に存在していますが、こういうバカげたことをするのはいつも統一派です。前述したように、中国の意向を受けて日本人の台湾へのイメージを貶め、日台離反を画策しようとしている可能性もありますが、かえって逆効果ではないでしょうか。

 台湾人にしてみれば、中国に対する嫌悪感が増大しますし、日本人にしても台湾に対する知識がここ数年で深まっていますから、大陸派が行ったということはすぐに分かるでしょう。中国が「一つの中国」を声高に叫べば叫ぶほど、台湾での独立気運の高まり、そしてそれをぶち壊そうとする大陸派がいるということが、日本人にも意識されるようになっています。

 台湾の大陸委員会は、中国の人権活動家による難民申請を検討する用意があると発表しました。
政治亡命者は受け入れられなくても、長期滞在を提供することはできるとの見解を公式に示しました。台湾は、統一派たちの幼稚な言動に少しも動揺ないばかりか、中国の人権活動家を支援しようとしています。

 李登輝から始まった民主国家台湾は、今、蔡英文総統に受け継がれ民主国家としてあるべき姿を引き続き追い続けています。中国との差は広がるばかりだし、独立こそ認められていませんが、国家としてあるべき姿は具現化しています。今後も統一派による嫌がらせは何度もあるでしょうが、台湾は揺るぎません。

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3>> 八田與一像修復・復元「緊急募金」のお願い 【募金期間:4月18日〜27日】

 4月16日早朝、烏山頭ダムの畔にたたずむ八田與一像の首が切断されて持ち去られるという、前代未聞の醜悪な事件が起こりました。台南市警察は一組の男女が事件に関わっているとみて取り調べているそうですが、銅像は奇美博物館の協力を得て応急措置的な修理が施され、嘉南農田水利会は5月8日のご命日に八田技師の墓前祭を予定どおり執り行うと発表しています。

 李登輝元総統は八田技師について「その偉大さについては、私も賛辞を惜しまない。八田がつくった新しい水路から水が流れてきたとき、嘉南平原に住む台湾農民60万人は『神の水が来た』といって感激のあまり涙を流し、これを迎えたと伝わる」と述べ、八田技師の功績を高く評価する一方、1981年に再びダムの畔に設置されるまで、嘉南農田水利会の人々が戦後長らく守り抜いてきたことを讃えています。

 嘉南農田水利会は八田與一像の金型を保存しているようですので、応急的な修復だけでなく、いずれ新たに制作することも予想され、このようなことが二度と起こらないようにするため24時間作動の監視カメラを設置するなど環境整備も必要かもしれません。

 いずれにせよ費用のかかることですので、本会は4月18日から募金活動を開始します。募金は、4月28日から始まる李登輝学校研修団で訪台の際に台湾市を訪れることになっていますので、4月27日までとし、嘉南農田水利会に直接お届けする予定です。募金の経過や結果は「メルマガ日台共栄」やホームページなどでお知らせします。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 平成29年(2017年)4月18日

                               日本李登輝友の会

 

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」[Vol.2915] 2017.04.21

 

1>> 八田像頭断事件の緊急募金 岡山学芸館高校が街頭募金を始めるなど大きな反響

 八田與一像頭断事件の発覚から3日目の4月19日、嘉南農田水利会が銅像の修復は進んでおり、5月8日の慰霊祭は予定通り行える見込みだと発表したそうで、ホッとしました。中央通信社が伝えているので下記に紹介します。

 なお、本会が4月18日から始めた「八田與一像修復・復元『緊急募金』」は20日現在、29万1,738円(36人)となっており、深く御礼申し上げます。

 昨日から、本会facebookとTwitterで募金者イニシャルや募金額などを公表していますので、もし記載漏れなどの間違いがございましたら、お手数ですがご連絡のほどお願いします。

 本会の緊急募金のことは、台湾の「自由時報」や「聯合報」でも取り上げていただき、日本人のこの事件への思いの一部が伝わったのではないかと思っています。

・4月18日付「聯合新聞網」:日本李登輝之友會募款修復八田與一像

udn.com

・4月18日付「聯合新聞網」:【歴史倒帶】 追思八田與一 李登輝曾3度哽咽

udn.com

・4月19日付「自由時報」:日本李友會 緊急募款修銅像

news.ltn.com.tw

 国内でも、本会理事の森靖喜(もり・やすき)氏が理事長をつとめる岡山の岡山学芸館高校は毎年、修学旅行で台湾に行き、烏山頭ダムも訪問していることから、来週、先生や生徒たちが3日連続で街頭や校内で募金活動を行うそうです。

 また、PHP研究所の月刊「歴史街道」6月号(5月6日発売)が八田與一特集を行い、李登輝元総統や渡辺利夫会長も寄稿されていることは本誌でもお伝えしましたが、なんとPHPのホームページ「PHPオンライン衆知」において「八田與一像修復・復元『緊急募金』」を本日(4月21日)から掲載していただけるそうです。

・PHPオンライン衆知

shuchi.php.co.jp

 こんなおぞましい、猟奇的とも言える事件で日台関係が揺らぐはずもありません。このような日本人の反応がそれをよく示しています。

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破壊された八田像、修復進む 慰霊祭に間に合う見込み

【中央通信社:2017年4月20日】

japan.cna.com.tw


写真:八田与一氏の銅像修復を手がける王昭旺氏

 (台南 20日 中央社)台南市の烏山頭ダムで、日本統治時代にダム建設を指導した八田与一氏の銅像が破壊された事件で、同所を管理する嘉南農田水利会は19日、銅像の修復は進んでおり、5月8日の慰霊祭は予定通り行える見込みだと発表した。

 両岸(台湾と中国大陸)統一を主張する元台北市議の男らが犯行を認めたものの、破壊された頭部はいまだに見つかっておらず、当初の予定通り、奇美博物館(台南市)の協力の下、芸術家の王昭旺氏によって修復が進められている。同博物館が所蔵する胸像を切断し、破壊された部分に接着して修復を行う予定で、王氏は破壊された跡がなるべく目立たないよう、修復を進めたいとしている。作業には10日ほどかかる見通し。

 同会の楊明風会長によると、八田氏の命日に行われる慰霊祭には、日本からは八田氏の孫、修一さんなど約200人が参列する予定。楊会長は、「破壊しようという悪意を持つ人が現れることは防ごうにも防げない」と話し、今後は巡回を強化する方針で、このような事件はもう二度と起きないでほしいと訴えた。

                           (楊思瑞/編集:楊千慧)

 

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」[Vol.2916] 2017.04.22

 

1>> 岡山学芸館高校の生徒たちが4月25日・26日に西大寺駅前で八田像修復・復元の街頭募金

 昨日の本誌で「本会理事の森靖喜(もり・やすき)氏が理事長をつとめる岡山の岡山学芸館高校は毎年、修学旅行で台湾に行き、烏山頭ダムも訪問していることから、来週、先生や生徒たちが3日連続で街頭や校内で募金活動を行う」ことをお伝えしました。

 昨4月21日、学校のホームページとフェイスブックにその募金活動について告知していますので、ここではフェイスブックを下記にご紹介します。

 街頭募金活動は、今年3月に実施した台湾修学旅行に参加した生徒29人が中心になって行うそうで、引率した先生方はそのバックアップだそうです。今年は烏山頭ダムを訪れていて、まだ1ヵ月ほどしか経っていません。事件を知った生徒たちの思いも一入(ひとしお)だったのかもしれません。

 2日間とは言え、朝の7時半からです。クラブ活動の朝練などをなげうって募金活動をやろうと決めた生徒たちの真摯な姿勢に頭が下がります。

 岡山学芸館高等学校(森健太郎校長)が台湾を修学旅行先として行きはじめたのは6年前。戦前の日本の台湾政策、統治時代の日本人の活躍を学び、「世界で活躍する立派な日本人」がどうあるべきか、過去の偉人の足跡をたどろうと、すでに250名ほどが参加しているそうです。毎回、李登輝元総統や蔡焜燦氏(台湾歌壇代表)などにご講演いただき、八田與一が造った烏山頭ダムなども訪れ、屏東の姉妹校とも交流するなど多彩な内容となっています。

 校内には、許文龍氏から寄贈された新渡戸稲造の胸像も設置するなど、台湾とのご縁が深い学校です。

 本誌では募金活動を3日続けて行う予定とお伝えしましたが、道路使用許可の関係で2日となったそうです。

・4月25日(火)午前7時30分〜8時20分 JR赤穂線 西大寺駅前(本校の最寄駅)
・4月25日(火)昼休みの食堂、各教室(学校内)
・4月26日(水)午前7時30分〜8時20分 JR赤穂線 西大寺駅前

 

◆岡山学芸館高等学校ホームページ

www.gakugeikan.ed.jp

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台湾・八田與一銅像 修復・復元のための募金活動

【岡山学芸館高等学校フェイスブック:2017年4月21日】

business.facebook.com


※写真は今年3月の岡山学芸館 台湾研修旅行での様子

 先日、ニュースで報道されていた八田與一銅像の頭部が切断された事件ですが、その修復・復元のために日本李登輝友の会が緊急募金活動をされています。

 本校は、そちらに送金することを目的として4月25日(火)・26日(水)に西大寺駅前での募金活動を実施します。

 また、校内でも25日(火)昼休みに募金活動を実施します。

 募金活動を実施するのは、今年3月に台湾研修旅行に参加した約30人の生徒と引率教員です。

 戦前の日本と台湾の歴史を学ばせてもらった八田與一銅像への感謝をこめて、街頭募金頑張ります!

 皆さまの善意をおまちしております。

 

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」[Vol.2921] 2017.04.27

 

2>> 岡山学芸館高校の八田像修復・復元の街頭募金活動を台湾の人々も称賛!

 ご案内のように、本会理事の森靖喜氏が理事長をつとめる岡山学芸館高等学校(森健太郎校長)の生徒たちが4月25日、最寄り駅の西大寺駅前において午前7時30分から街頭募金、また昼休みには校内募金を行いました。翌26日はあいにくの雨模様だったため、駅前から校内に場所を替えて募金活動を行いました。

 学校のホームページと公式facebookに、その報告を写真とともに掲載しています。

 街頭募金に立ったのは、2017年3月に台湾研修旅行に参加した29名の生徒有志。「私たちが台南市の烏山頭ダムにある八田技師のお墓や銅像を訪問した1か月後に頭部が切断されるという事件が起きました。修復に少しでもお役にたてたら、と募金活動を行っています」(HP)と、街頭募金を行うようになった経緯を記しています。

 この岡山学芸館高等学校の募金活動には台湾でも注目が集まり、facebookには台湾から<募金活動に参加した岡山学芸館高校の皆さん:台湾人として、「お疲れさまです!ありがとうございます!」と申し上げたいです。><私は台湾人です。本当にすみません。本当にありがとうごさいます。><ありがとうございます。謝謝!>などのレビューも相次ぎ、「いいね!」も1,000人を超え、台湾最大手紙の「自由時報」も報じています。

 また産経新聞も25日の駅前での街頭募金について報じていますので、その記事を下記に紹介します。

 なお、記事の最後に「寄付金は日本李登輝友の会を通じて後日、現地に送金される」とありますが、募金開始の際にお伝えしましたように、嘉南農田水利会(楊明風会長)に直接お届けする予定です。また、募金を始めることや義捐金を直接お届けすることは、嘉南農田水利会の了承をいただいていることを申し添えます。

 それにしても、4月26日現在の募金額は予想を上回る148万3,632円となり、185人の方々から寄せていただきました。この中に、岡山学芸館高等学校の生徒たちの街頭募金に寄せられた義捐金も入っています。改めて義捐金を寄せていただいた方々に深く御礼申し上げます。

 4月18日から始めた八田與一像修復・復元「緊急募金」も、本日が募金の最終日です。よろしくお願いします。

 

◆八田與一銅像被砍 日本高中生上街募修復經費【自由時報:4月26日】

news.ltn.com.tw

◆岡山学芸館高等学校ホームページ

www.gakugeikan.ed.jp

◆岡山学芸館高等学校公式facebook

https://www.facebook.com/gakugeikan/

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台湾の巨大ダム建設の父 八田與一さん銅像修復を! 岡山学芸館高生が募金

【産経新聞:2017年4月26日】

www.sankei.com


写真:西大寺駅前で日本人技師銅像の修復費の募金を呼びかける岡山学芸館高校の生徒ら=岡山市東区

 台湾南部で戦前、世界有数の巨大ダム建設を指揮した日本人技師の現地の銅像の頭部が破壊されたことを受け、岡山学芸館高校(岡山市東区)の生徒らが25日、地元のJR西大寺駅前で銅像の修復費用の募金活動を展開し、通勤、通学の市民らがこれに応じた。

 破壊されたのは台南市の烏山頭ダムのほとりに設置されている八田與一(はったよいち)技師(1886〜1942)の銅像。16日朝、頭部が切られているのをダム関係者が発見し、警察に通報。その後、中台の統一を主張する元台北市議の男が犯行を表明して警察に出頭した。

 八田技師は大正9(1920)年から烏山頭ダム建設を指揮。10年かけて完成させ、嘉南平野を台湾最大の穀倉地帯に変えた功績が日台双方で知られている。

 毎年5月8日の命日には傍らに八田夫妻の墓がある銅像前で地元の人々が慰霊祭を営んでおり、台南市の頼清徳市長も像の速やかな修復を指示。「慰霊祭は例年通り行う」としている。

 銅像の損壊を受け、3月に台湾研修旅行を行ったばかりの岡山学芸館高校では、研修で実際に八田與一像や墓を参拝した生徒ら有志約30人が修復費用の「緊急募金」を提案。

 この日は約10人が募金箱や横断幕、のぼりを手に西大寺駅前に立ち、「銅像修復のためにご協力をお願いします」と呼びかけた。

 英語科3年の小川航(わたる)さん(17)は「研修で交流した台湾の人々のために何かしたかった。日台の絆はかえって強くなると思う」ときっぱり。募金に応じた会社員の男性は「東日本大震災の際に台湾から寄せられた巨額の義援金のことを思った」と話していた。

 募金活動は26日も同駅前で午前7時20分〜同8時20分に実施。寄付金は日本李登輝友の会を通じて後日、現地に送金される。

 

日本李登輝友の会メールマガジン「日台共栄」[Vol.2922] 2017.04.28

 

1>> 八田與一像修復・復元「緊急募金」を終了 211人から210万円の義捐金

 八田與一像頭断事件を受け、応急的な修復だけでなく、いずれ新たに制作することも予想され、このようなことが二度と起こらないようにするため24時間作動の監視カメラを設置するなど環境整備も必要かもしれないと思い、八田像を管理している嘉南農田水利会のご了承の下、本会は4月18日から「八田與一像修復・復元『緊急募金』」を開始しました。

 皆さまの真心がいっぱいつまった義捐金です。5月8日に執り行われる八田技師の墓前祭の前に、直接、台南市内にある嘉南農田水利会にお届けしたいと考え、奇しくも4月28日から始まる第27回李登輝学校研修団で訪台の際に台南市を訪れることになっていましたので、27日を募金の締切日とさせていただきました。

 お陰様で、10日間という短い募金期間にもかかわらず、予想をはるかに上回る211人の方から210万円もの義援金を寄せていただきました。ご協力いただきました皆様に深く御礼申し上げます。

 本来ですと、お一人お一人に御礼状をお出しすべきなのかもしれませんが、1円でも多く義捐金をお届けしたいという趣旨に免じてお許しいただきました。改めてご理解のほどお願い申し上げます。

 昨日、義捐金の受け渡し日程について、嘉南農田水利会との仲立ちをしていただいた「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」世話人の徳光重人氏からご連絡いただき、5月3日に嘉南農田水利会の事務所で楊明風会長にお手渡しすることになりました。

 第27回李登輝学校研修団は5月2日までですが、団長の安倍美香・本会理事と副団長の鈴木武氏はその後も台湾に残り、本会スタッフも残っていますので、渡辺利夫会長の名代として楊会長にお渡しする予定です。後日、本会ホームページや本誌において、その模様をご報告します。

 なお、募金者イニシャルや募金額などを公表している本会のfacebookとTwitterでもお伝えしているように、払込取扱票(郵便振替)によるお振り込み分は、振替受払通知票が本会に届くまで2、3日かかるため、4月25日付で到着した通知票まで反映しています。また、27日15時以降に銀行からお振り込みされた場合も、実行は28日(本日)です。

 そこで、今後も義捐金が届くことが予想されますので、その分は、5月8日の墓前祭に参加される方に託したり、6月に実施予定の台湾フルーツ美食ツアーでは台南市を訪問したときにお届けするなど、機会を見計らって嘉南農田水利会に直接お渡しするつもりです。

 八田與一技師は「嘉南大[土川]の父」として今でも台湾の人々から敬愛され、日本と台湾の絆を象徴する日本人です。八田像を巡って、二度とこのような事件が起こらないよう願って止みません。

 平成29年(2017年)4月28日

                               日本李登輝友の会

 

終。